第12回インタビュー 「遠山の金さん」五木ひろし「流れのままに」松方弘樹「華のうちに」

――おはようございます。今回は第12回目のインタビューです。
今日はテレビ番組で長寿の人気を誇る「遠山の金さん」、その主題歌の編曲について色々とお聞きしたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します。

京 こちらこそどうぞ宜しく。

――「遠山の金さん」はご存知の通り、テレビ朝日の人気の番組で、7作ございました。
京さんは、その中の3作について主題歌の編曲をされました。

京 そうでしたね。

――第4作と第5作、そして第6作目です。

第4作の主演は杉良太郎さん、第5作は高橋英樹さん、そして第6作が松方弘樹さんです。

京 第1作の主演は中村梅之助さんでしたね。

――ええ、(資料を見て)1970年から1973年まで、169話のシリーズで、この頃はテレビ朝日の前身のNETの番組で、タイトルは「遠山の金さん捕り物帳」です。

京 4年続いた長寿番組でしたね。
第2作が、市川団四郎さん、第3作が橋幸夫さん、ですね。

――第2作は1973年から2年間で51話、第3作は1974年から1975年の27話となっています。タイトルはどちらも「ご存知遠山の金さん」で、これもNETの番組です。

京 そして第4作が杉良太郎さんですね。

――1975年から1979年、131話ありましてタイトルは「遠山の金さん」、NETから途中でテレビ朝日の番組になりました。これ以降の「遠山の金さん」は全てテレビ朝日の番組ということですね。

京 第5作の主演が高橋英樹さん。

――1982年~1986年、198話で、タイトルは4作と同じく「遠山の金さん」です。

京 第6作が松方弘樹さんの主演ですね。

――これはふたつあって、1988年~1996年で177話、タイトルが「名奉行遠山の金さん」、それと1997年~1998年で42話。タイトルは「金さんVS女ねずみ」です。足掛け10年の番組です。

京 ほんとに長く続いた番組でした。
そしては第7作が松平健さんですね。

――2007年で9話、タイトルは「遠山の金さん」です。
以上が番組7作の概略になります。

京 江戸・北町奉行の遠山金四郎景元が、お白洲で悪人を前にして、桜の入れ墨を見せる場面が良いですよ、やっぱり(笑)
日本人の心の琴線に触れて、どれもが人気番組として高い視聴率を獲得しましたね。

――水戸黄門の印籠を悪人に見せる場面と同じで、皆さんお好きですよね(笑)

京 勧善懲悪の小気味よいシーンで完結する物語は、視聴者にとっては安心して楽しめる。それが人気の秘密でしょう。

――陣出達郎さんのお書きになった人気時代小説「遠山の金さん」が元ですね。
それでは、これから京さんに主題歌の編曲に関して古い順にお聞きしたいと思います。
第4作・杉良太郎さん主演の「遠山の金さん」の主題歌は「すきま風」で、杉良太郎さんご自身がお歌いになりました。実は「すきま風」については第9回のインタビュー、杉良太郎「すきま風」に掲載しています。詳しく京さんにお聞きしていますので、そちらをご覧いただきたいところですが、せっかくですので簡単に触れたいと思います。

杉良太郎「すきま風」
1976(昭和51)年10月1日発売 CBSソニー(06SH-69)
作詞:いではく 作曲:遠藤実 編曲:京建輔

――主題歌「すきま風」は、番組「遠山の金さん」が始まってしばらくしてから流れるようになったそうですね。

京 1975年10月に番組が始まって1年ほどして、テレビ局がNETからテレビ朝日に変わりました。その時に「遠山の金さん」の主題歌を作ろうという話になったんです。
そして出来上がったのが「すきま風」です。

――第9回のインタビューによると、収録は1976年8月4日にCBSソニーの六本木スタジオです。そしてレコードの発売が10月1日。主題歌が番組に流れたのは10月7日(第53話)からとなっています。番組がNETからテレビ朝日に変わったので、番組に新風を吹き込みたいというテレビ朝日の制作スタッフの意気込みもあったのでしょうか。

京 あったと思います。オ―ケストラ収録の際、スタジオにテレビ朝日の方が大勢来られて、通常の録音の雰囲気とは大違いでした。とても不思議に思ったことを覚えてます。

――曲の収録タイムが長くないか、短くないか、皆さん大変気にしておられたようですね。

京 テレビ番組の主題歌ですから、基準内のタイムに収まらなければいけない。当然のことなんでしょうが、そのときは事情がわからなかったもので。
遠藤実先生と編曲の打ち合わせの際も、テレビの主題歌になるなんて話は一切出てきませんでした(笑)

――時代劇の、それも「遠山の金さん」の主題歌になるという情報が事前になかったことが、アレンジするにあたっては良かったわけですね。

京 もしそういった情報があったら、ミッシェル・ルグランの曲などイメージしなかったでしょう。お洒落な雰囲気を出すための、アルトフルートとマリンバの組み合わせなども考えつかず、別の、もっと演歌チックなものを考えたかもしれません(笑)

――遠藤先生から電話で、編曲者(斉藤恒夫氏)のピンチヒッターとして突如指名されて、慌てて先生のご自宅へ急ぎ駆け付けて、短時間で打合せをされたことなどが第9回のインタビューには出てきますが、それがとてもドラマチックです(笑)

京 「すきま風」が3年間近くたっても、オリジナル・コンフィデンスのシングル盤のトップ100、それも7、80位にいつも顔を出して、ロングセラーの代表挌として君臨していたことを思い出します。周りのひとから不思議に思われていました(笑)

――1977年から1980年の間のロングセラーの第1位が「すきま風」で、第2位が「北国の春」(作詞:いではく 作曲:遠藤実 歌:千昌夫 第3回インタビューに掲載)ですから。ロングセラーのヒット曲、それもビッグな2曲を編曲されたことを不思議に思われてもしょうがないかもしれませんね(笑)
因みにオリジナル・コンフィデンスのデータでは京さんは1979年~1981年にかけて編曲者のベストテンに毎年ランクされています。
それでは、第5作目、高橋英樹さん主演の「遠山の金さん」の主題歌に移りたいと思います。

京 五木ひろしさんの「流れのままに」ですね。

五木ひろし「流れのままに」
1982(昭和57)年3月25日発売 徳間音楽工業(NCS-2005)
作詞:安麻呂 作曲:五木ひろし 編曲:京建輔

――このレコードは、五木ひろしさんが作られたニュークリーク・レーベルで、作曲は五木ひろしさんご自身です。
五木さんはこの頃作曲をされることが多かったのでしょうか。

京 特にこの頃ということはないと思います。この前後にも沢山作られています。

――五木さんはどのくらい作曲をされていらっしゃいますか。

京 150曲位は作られていると思います。

――随分と沢山ですね。

京 都はるみさんとのデュエット曲「二人のラブソング」
(作詞:吉岡治 作曲:五木ひろし 編曲:斉藤恒夫 1984年12月21日発売)
など代表作は多いですよ。

――(調べて)「五木ひろし作曲集というタイトルのCDもあるんですね。

 五木さんの作曲の「契り」がこの年(1982年)の発売でした。
翌年に出た「あなた」も五木さんの作曲です。

――「あなた」も「流れのままに」と同じ安麻呂さんの作詞で、どちらも京さんの編曲ですね。

京 そう、「あなた」は発売日が正月元旦だったので覚えています(笑)

――「契り」は、京さんの編曲ということで第3回のインタビューでお聞きしていますので、
詳しくはそちらをご覧いただけたらと思いますが、この「流れのままに」の発売3ヶ月後の7月1日に発売され、その年のゴールドディスクと第24回のレコード大賞の金賞を獲得しています。

京 そうでしたね。五木さんは、ご自身でギターを弾かれますし、作曲にもとにかく意欲的で、この主題歌「流れのままに」でも色々な形で積極的に関わられたことと思います。

――歌や作曲だけでなく…。

 ご本人もこのテレビ番組に出演されていたかと思いますよ。

――(調べて)第1シリーズの第22回放送「夕陽の渡世人! 子連れ旅でござんす」(1982年)と、第2シリーズの第33回放送「男ひとり 流れのままに」(1986年)にそれぞれに出演されていますね。

 五木さんの、そういった積極性は舞台などでも反映されていますから、それで時代劇も人気なんです。

――それでは、編曲についてお聞きしてまいります。「流れのままに」の録音はいつでしょうか?

 (事務所に保存してあるスコアを見て)1982年1月12日ですね。

――発売のほぼ2か月前ですから随分と短い制作進行だったんですね。

 打ち合わせから録音までの日程が短かかったので、その分大変だったと記憶してます(笑)

――それでは1度通して聞いてみたいと思います。(聴く)
特徴的な楽器は、リズム体以外では、エレキギターが前奏、間奏、後奏の主役でしょうか。それとマンドリンとヴィヴラフォン、それにアルトフルートが目立ちますね。

 マンドリを2丁使っています。ヴィヴラフォンとユニゾンで控え目ながら特徴的な音作りを狙いました。

――控え目、控え目でも、特徴的な音作りが大切なんですね。

 特徴的な音、心の奥底に残る音、なぜか気になる音、そういった音作りというものは、いってみれば隠し味と同じようなもので、基本、目立たないことが必要なんです。

――でもマンドリンを2丁使うと目立つのでは…。

 それは輪郭をしっかりと取りたかったからです。トラックダウンの際、音のレベルが小さくなっても、芯をしっかりしたかったからです。

――アルトフルート、これは「すきま風」のときのイメージを残されたのですか。

 いいえ、ここではそこまで存在感は出さず、単体で、おとなしく全体を支える役目にしています。

――弦が綺麗でいいですね。静かだけれど、駆け上がりの箇所では、内面から熱いものが湧き出してくるようで素敵です。

 「流れのままに」はツーハーフの曲で、詞の同じ箇所に三回「花をかざした 愛しいお前」という台詞が出てきます。これは、もう少し我慢して待てば、きっと好いことが来るだろうというテーマにつながる詞なんですが、この胸に迫る詞を弦楽器で表現したい、そう思ったんです。そう聞こえましたか?

――はい(笑)
「すきま風」も同じようなテーマが人気でしたので、番組としては「流れのままに」でもそれに近い路線を狙ったのでしょうか。

 それはあったかもしれませんね。生きていくには我慢が一番大切です(笑)

――それでは、第6作、松方弘樹さん主演「名奉行遠山の金さん」の主題歌に移りたいと思います。

 松方弘樹さんの「華のうちに」ですね。

松方弘樹「華のうちに」
1993年12月21日発売 徳間ジャパンコミュニケーション(TKDA-70257)
作詞・作曲:吉幾三 編曲:京建輔

――松方弘樹さんの訃報(2017年1月21日 74歳没)は2017年1月のニュースを独占しましたね。

京 本当に残念なことでした。まだまだ松方さんには活躍していただきたかったですね。
松方さんは役者さんの家族の中で育ったこともあって、豪快でほんとうに華のある大スターと呼ぶに相応しいひとでした。

――お父さんは近衛十四郎さん、お母さんは水川八重子さん、弟さんは目黒祐樹さん、皆さん映画界でもTVでもお馴染みの方々ですね。

京 お父さんの近衛十四郎さんが主役のTV番組「素浪人月影兵庫」(1960年代放送)はよく見てました。ほんと面白かった(笑)

――松方さんは「昭和残侠伝」の任侠路線や「仁義なき戦い」実録路線などでハードな役柄をこなされたこともあって、強面(こわもて)の俳優さんというイメージでした。それが一転したのがTV番組「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」(1985年開始)でしたね。照れ屋で笑い上戸な一面が若い人に受けました。

京 そうでした。松方さんの素顔が可愛いと、若いOLの方や女学生に人気でしたね。番組で流れた「アイル・ビー・バック・アゲイン…いつかは」というシングルもヒットして。

――釣りが、それも大掛かりな釣りがお好きでしたね。巨体な本マグロを沖縄で釣上げて、築地市場でも高値で取引された、といった派手なニュースを提供されました。

京 私生活も華やかでした。スターの代名詞のような方でしたね。

――松方さんは、中学2年生のときにお父さんの映画の都合で、東京から京都に移られたようですが、小学校からスポーツ万能で、野球や水泳が得意だったそうですね。
音楽にも秀でていて、中学対抗独唱コンクールで優勝されたとか加藤康一さんの本「その人その愛」にありましたが。

京 歌手になる夢をもたれて上京、上原げんとさんのところに弟子入りされたんですね。

――上原げんとさんですか。

京 上原げんとさんは戦前・戦後にわたる大作曲家で、岡晴夫さんの「東京の花売り娘」や美空ひばりさんの「私は街の子」などの名曲を数多く遺されていらっしゃいます。

――そういう方の内弟子ということは相当歌手として有望だったんでしょうね。

京 それが、ある情報では、松方さんが歌手になるために上京して、作曲家の上原先生の内弟子になったが、後から内弟子になった五木ひろしさんの歌があまりにも上手だったため、歌手になるのを諦めて俳優になったという話があるんです。

――五木さんも同じ先生の内弟子になられたわけですね。

京 それですが、その話はちょっと年代が合わないんです。松方さんは高校(同志社大学付属高校)に入学(1959年)した後上京、上原先生の内弟子になられます。でも翌年、1960年(昭和53年)コロムビアの50周年記念新人として「17歳のブルース」(SA-421)でデビューします。これは東映映画での主演デビュー作「十七歳の逆襲・暴力をぶっ潰せ」の主題歌(作詞:関沢新一 作曲:上原げんと)としても発売されました。映画と歌の両面作戦という、当時としては大々的なプロモーションを背景に売り出されたわけです。

――東映とコロムビアの双方から声がかかった形ですね。しかもこのとき東映は一本だけの条件で撮影したにもかかわらず、その後もシリーズ化して、松方さんを東映の若手俳優の有望新人として起用していったそうですね。ということは、映画俳優としてのスタートは大成功だったということでしょう。

京 コロムビアからは、その後の新譜発売はないようですので、お父さんからも同じ俳優の道を歩むよう強く勧められたのかもしれませんね。

――(調べて)1960年のコロムビアですと、小林旭さんの「ズンドコ節」や、井上ひろしさんの「雨に咲く花」などがヒットした頃ですね。

京 ところが、五木さんは1948年生まれです。五木さんが上原げんとさんの内弟子になったのは、学校を卒業した翌年の1964(昭和39)年ですから、松方さんのレコード・デビューより4年程後のことになります。

――そうですね。4年後ですと、松方さんはもう東映の映画俳優として活躍をされていますね。

京 松方さんは五木さんの歌を聞いたため、歌手を諦めて俳優になったというのではなく、俳優になったから歌手を諦めたというほうが正しいのかもしれません。

――そうですね。

京 まあ、松方さんは、五木さんが同じ上原げんとさんの内弟子だったことを後になってお知りになって、リップ・サービスでそういう風にお話されたのではないかと想像します。

――そんな気がしてきました(笑)
(調べて)松方さんは、映画デビュー後「17歳シリーズ」を立て続けに2本こなし、赤穂浪士」の大石主税役で出演されてます。そのあと時代劇に転じて白面の美剣士として、市川歌右衛門の二世・北大路欣也さんと共に「二世コンビ」として活躍を開始されます。

京 ですから、少なくとも上原げんとさんの内弟子として、松方さんと五木さんが一緒に勉強していたということはないでしょう。何かの機会にすれ違ったことはあるとしても。

――いずれにしても、松方さんは歌がお上手で歌手を目指したこと、デビューのシングル盤が映画デビューの主題歌として同時期に発売されたこと…。

京 そして松方さんが俳優の道を選ばれた、ということですね。

――それを思うと、不可思議なひとの運命を感じます。

京 歌手の道を松方さんが選んでいたことを想像すると面白いですね(笑)
この「遠山の金さん」の主題歌でも松方さんの歌の力量は並ではないことがよく解りますよ。

――ではここで「華のうちに」を聞いてみたいと思います(試聴する)
「華のうちに」の録音はいつでしたか?

京 (保存のスコアを見て)えー、1988年3月19日です。

――番組は1988年4月21日からスタートですので、主題歌がテレビで流れるひと月前に録音したことが解りますが、レコード(CD)の発売は1993年の末になるんですね。随分遅れた発売、5年経ってからの発売ということになりますが。

京 なにか事情があったのかもしれませんね。

――ドラマの主題歌がレコードにならないというケースもあるという…。

京 レコード会社は原盤権や、音楽出版といった権利ビジネスで動くことが多いですから。

――しかし番組開始から5年後にCD化されたということは、諸々の条件が整ったからということですね。

京 主題歌をCDで聞きたいという番組視聴者やファンの方の要望もあったでしょうし。
実際CD化しないことはもったいないですからね(笑)

――曲を聴いて印象的な楽器はパンフルートで、前奏、間奏、後奏の主役になっていると思いました。

京 前からパンフルートを主役にしたアレンジをしてみたいと思っていたんです。
編曲をするに従って、やっぱりパンフルートがぴったりだと、自信は深まるばかりで。

――パンフルートは欧州・ルーマニアのザンフィル(演奏者)で有名になりましたが、この頃はまだあまり知られていない楽器でしたね。

京 たくさん並べたパン(葦・竹)の上から息を吹き込んで演奏する民族楽器で、フルートのような木管楽器以上に素朴で暖かい音色が魅力なんですよ。
個人的にも楽器を購入して研究もしました。

――演奏は難しそうですね。

京 音自体は比較的出やすいんですが、なにせ沢山吹く箇所があるでしょう。テンポの速い曲は首を動かすだけでも大変です(笑)
そうそう、パンフルートについては以前、インタビューでお話しましたね。

――(調べて)第8回のインタビューで、坂本冬美さんの楽曲のときでした。
京さんが坂本冬美さんの「船で帰るあなた」を二度編曲されたという話の中で、2度目の編曲(シングル盤用)の際、パンフルートをメインに使ったということでした。

京 そうでした。編曲は同じ頃で…。

――いいえ、「船で帰るあなた」は1993年の10月で、「華のうちに」は1988年3月ですから、こちらのほうが先で、最初ということになります。

京 「船で帰るあなた」のときにもお話したと思いますが、この難しいパンフルートを上手に演奏してくださったのが藤山明さんです。2008年にお亡くなりになられてしまって、本当に残念です。パンフルートという民族楽器のもつ素朴さゆえに、演奏される藤山さんの心が直に伝わって、聞く人に強いインパクトを与えてくれるんですよ。藤山さんはそれを実証してくださった。

――作詞、作曲とも吉幾三さんですが、編曲の打合せでなにか印象に残っていることはございますか。

京 吉さんは、「すきま風」のような調子がほしいと、開口一番注文されてこられました。
「すきま風」にあやかってヒットしてほしいという気持ちからでしょうか(笑)

――作詞・作曲家なら当然で、素直な気持ちでしょうね。
それで、イントロ初めのジャカジャーンという、聞き手をまず引き付けるリズムで飛び出していくんですね。

京 「すきま風」を彷彿とさせる出だしになっているかと思います。

――その分、その後に出てくるパンフルートの素朴な音色が印象的になるんですね。

京 この曲もツーハーフの詞で短い曲(2分54秒)ですが、三連譜を巧みに使った4拍子の曲で、詞も同様、吉さんならではの作りになっていると思います。メロディーの出だしはマイナーでも途中からメジャーになっていて、これも吉さんらしいんです。

――ドラムもベースも快適なリズムを刻んでいますし、弦は綺麗で、ヴィヴラフォンやフォーク・ギターが聞こえてますが、曲が終わる最後の印籠を渡すところに出てくる、普通とは違う雰囲気のギターのような楽器は何ですか。

京 それは12弦ギターです。厚みのある音色ですから結構目立ちますね。終わりが来ることを自然に感じてもらえるように、あえてこの楽器を使ってみました。

――さて、そろそろ時間もまいりましたので、残念ですが今日はここまでとしたいと思います。
お忙しいところどうも有難うございました。

京 こちらこそ、有難うございました。